2012/04/30

少子高齢化の日本

衝撃的な論文を2日前に読みました。"The End Of "Lowest-Low"Fertility?"というGoldstein氏が書いた論文です。日本語では「最低値中の最低の出生率の終わり?」と訳せばよいのでしょうか。

この論文を読んで、私の今後の研究は日本の少子高齢化社会について考えたほうがよいのではないかと思ってしまいました。日本の将来が心配で仕方がなくなってしまいました。論文では今までの日本の出産奨励政策が世界の失敗例であると書かれています。

実際、今日本人の女性が一生に何人の子どもを産むでしょうか?

1.39人です。(平成23年(2011)人口動態統計の年間推計より。合計特殊出生率といいます。)

65歳以上のお年寄りは国民全体の何パーセントを占めるでしょうか?

23%です。(平成22年(2010年)統計局より)

超高齢化社会に突入しています。私が看護学生で習ったときまだ17%だったのに・・・。

どこの先進国もこの合計特殊出生率(女性が一生に産む子どもの数)は減少し1.3~1.5で推移していますが日本の超高齢化社会はまれにみるスピードで高齢化が進んでいます。

こんなこと知っているわ~と皆さんは思うかもしれませんがどれだけの人がこの少子高齢化社会問題を危惧しているのでしょうか。子どもが少なければ、日本経済の活性は進まず、高齢者層を支える若者の負担が多くなります(税金、保険、勤労すべての面で)。特に戦後ベビーブームに生まれた世代がこれからどんどん老いていきます。そして世界一寿命の長い国の日本の高齢者層はますます増えていくばかりです。若者の数は増えないで。

日本のGDPが世界GDPランキングの上位国から落ちる日が近い将来来るのではと思います。

隣の中国は逆です。今Golden Ageと呼ばれるReproductive Age層(働く世代)の数が非常に多く、それが中国のGDPが飛躍的に伸びた一つの要因だと考えられています(逆に日本も高度経済成長期に入る前、合計特殊出生率は4~3.0台でした)。

その論文曰く、日本は1990年代から育児奨励政策を何度か切り出しているが、一貫性に欠ける政策、また女性の収入、教育を考慮しない全ての女性を対象にした政策、女性の職場進出を促さす、子育てと仕事の両立が難しい社会が、女性の出産を促すことができなかったと結論付けています。

私も上の文に納得してしまいます。安定しない政権、子ども手当の継続性の疑問、子育てできない職場を見れば政策がうまくいかないから子どもをみんな産みたがらないのだと思います。信じ頼れる政策、職場環境があれば出生率は少しでも改善するのではと思います。

また移民を受け入れない日本の姿勢も他の論文では批判しています。移民を受けると合計特殊出生率が上がると報告されている例があります。移民の女性(特に途上国)はその国の女性よりたくさんの子供を産む傾向が高いようです。移民の女性が日本で子どもを産めば合計特殊出生率も上がります。経済に関わる労働者の数も増えます。

また私自身海外にいて思うのですが、中国、インドからの留学生は半端なく多いです。もともとどちらの国も人口が多いので、留学する人の数が多いのはわかります。でも日本人は内向き志向なのか留学する人が本当に減少しています。実際うちの学部では日本人1人。大学院(公衆衛生以外の他の学科も含め)8人しかいません!中国、インドは100人、いや1000人以上はいます。

留学生の数はその国の国力をみせているのではと思うと同時に、留学後母国で学んだことを貢献する人が多いということも言えます。

最後に米国政府(NIC)が出したGlobal Trends 2025という報告書について話します。2025年に人口動態、健康水準、経済などを含め世界はどうなっているのか予想した報告書があります。

日本は移民の受け入れ促進と女性の社会進出を促さないと、少子高齢化社会に耐えうることができないのではということが書かれています。そしてGDPも上昇するのではなく下がり、増加はゼロに近く、そして中国、インド、ブラジル、ロシアに抜かれるかもしれませんと・・・。
*Global Trends 2025はテストが終わった後にじっくり読もうと思います。



2012/04/28

この夏はGREともに

テスト勉強を今週末は本格的にしなければなりません。New Orleansには誘惑がいっぱいでJAZZフェスティバルが約1か月ほど続いています。来週Take Home Examが2つと統計のテストが1つあるので週末は気合をいれて勉強するつもりです。

以前書きました博士課程に進学するという話しですが、準備も少しずつ進めています。博士課程を受けるにあたってはGREというアメリカの大学院に進学するための試験を受けなければなりません。

TOEFLはもう米国の大学院で勉強し、卒業もできる見込みなので受験する必要はないそうです。

このGREというテストが本当にやっかい。Verbal, Quantitative, Analytical Writing Sectionの3つに分かれます。簡単に言えば、ボキャブラリー、数学、論文という感じです。私は3年前にこのテストを受けたのですが、去年から形式が変わったことと、PhDに行くためにはVerbalとQuantitativeで1200点はないと受からないと言われているので(3年前は1200点までは至りませんでした)もう一度勉強しようと思っています。

セメスター中は忙しく勉強ができないので、できればこの夏のメータオ・クリニック実習中に勉強しようと考えています。

アマゾンで参考書も新しく買い、続々と家に到着。その厚みにおそろしさを感じてしまう私です。買ったものはまだ使ったことがないのでよいかわかりませんが載せます。

Barron'sのフラッシュカード。単語と数学の公式が500枚のカードになっています。アマゾンで11ドルでした。

CliffsNotesのMath Review。日本人はGREの数学に強くここで点数をよくとります。私もボキャに力をいれるより数学で力を入れたほうが点が伸びるのではと数学強化したいと思います。


KAPLANのNew GRE プレミア―。総合参考書です。上記全てができたらプレテスト用に使いたいと思います(写真がなぜか反対になってしまいました。直してもなぜか。ごめんなさい)。

ここで載せたのはあくまでもアマゾンのレビューと使いやすさを参考に買いました。この夏使ってみて評価したいと思います。

どれだけGREのボキャが普段使われないような難しいボキャを出すのか参考に出します。挑戦どうぞ・・・。

1, eulogize
2, florid
3, salubrious
4, tirade
5, veracious

どうでしょ?私は5つの語今日はじめてみました。というか3年前に覚えたの忘れたのかも・・・。

答え。
1、 ~に賛辞する
2、健康的な、血色のよい
3、(環境などが)健康に良い
4、厳しい批判
5、真実を語る(形容詞)

昨日マーク先生と話し彼から信じられない言葉を聞きました。

マーク先生「アイコ、チューレンだけでなくてバークレー(カリフォルニア大学)やワシントン大も受けなよ!僕、推薦状書くし、仲良い先生を紹介するよ。」

私「え・・・先生の下で私勉強したいのに、なんでですか?」

マーク先生「来年度チュレーンの予算ですべての学費をカバーできる奨学金を出せるか保証はないし、他の良い学校もみたほうがよいよ。TulaneはMigrationの分野に強くないし僕はアイコと一緒に勉強したいけど、アイコの将来のためにも他も受験したほうがよいよ。」

(私の心の叫び:えー!!マーク先生から離れるのやだー!!)

彼は本当に本当にすばらしい人だと思います。こんなに生徒の進路を親身になって正直にアドバイスしてくれる先生なかなかいないと思います。

たぶん、先生の言うことはあっています。まだカリフォルニア大学バークレー校にあるPopulation Centerは有名ですし、正直サンフランシスコに住みたいという気持ちもあります。というか私合格できるのか?って思いますが。。。まだ受験校についてはおいおい考えます。まずはGRE、GRE・・・。

最後にマーク先生ののろけ話をもう一つ書かせてください。はい、皆様お気づきでしょうが私本当にマーク先生の大ファンです(ご心配なく。マーク先生は奥さんいるので私はただの一ファンです)。

昨日のPopulation Studiesで、最後マーク先生が言った言葉。

"I really enjoyed studying with you, guys. You did great jobs. I really enjoyed your presentations , assignments and discussions. Thank you very much for choosing my class. I really appreciate."

こんなことクラスの最後に言う先生、今までみたことありません!生徒拍手喝采していました。先生、素敵です。


最後にうちのルームメートの猫。私のベッドで寝ています。「アイコ、早く勉強しなきゃだめだニャー」という顔で私をみはっています。はい、明日から勉強します・・・

2012/04/27

Population Studiesとは

春セメスターがもうすぐ終わろうとしています。時間が経つのは早いです。来週から期末テスト期間に入ります。私の担当教授のマーク先生が教えるPopulation Studies(人口学)の授業が来週で終了です。この週2回の授業が今学期の一番楽しい授業でした。マーク先生に会えないのは寂しいです(マーク先生はしょっちゅう私がオフィスアワーに来るから、セメスターが終わることを喜んでいるかもしれませんが・・・)。

この授業では過去から現代までどのようにDemographic Transition(人口学的遷移)がはじまったのか。死亡率、出生率の移り変わりは先進国、途上国でどのように違うのか。それに伴う社会学、経済学者が唱える理論とは。難民、移民、国内の人口の移動(Migration)がどのように健康に影響するのか(特にHIV/AIDS問題)。

またこの授業の課題ではLife Tableを一から作ってみたり、Crude Birth rates, Total fertility rates, Age specific fertility rates, Gross Reproductive rates, Net Reproductive ratesなどを国ごとに自分で計算し、比較してこの国では家族計画がすでに普及しているか、出生後の子どもの死が多いかなどを推定したりもしました。

グループワークではケニアの2033年の人口ピラミッドはどうなるのか?それにHIV/AIDSはどう左右するのか?人口は縮小するのか?HIVのPrevalence(有病率)は今後どうなるのか?Demprojというソフトウェアを使い自分でProjection Dataを作ったりもしました。

以下例のピラミッドです。左がHIVなしで右がHIVに影響を受けたピラミッド。ケニアはHIVのPrevalenceは6.3%と他のアフリカと比べ、あまり高くないので人口ピラミッドの差が大きくありません。アフリカのボツアナはHIVのPrevalence24.1%と信じられない高さです。平均寿命は38.5歳。人口が減少しています。



最近のディスカッションで一番おもしろかったのは「なぜ途上国(特にサブサハラアフリカ)では家族計画がうまくいかず出生率が下がらないのか?」という問題です。

女性の就学率の低さ、一夫多妻制、家族を重きにする文化、Wealth Flowsの浸透(子どもは一家の財産という考え。子どもはお金の稼ぎ手の一つであり、たくさん子どもがいるほうが将来親を養い一家は安定するという考え)、物価が安く子どもを育てやすい環境等、多産になる要素がたくさんあります。

でもそもそも家族計画って誰が考え出したもの?先進国の考えを無理やり押し付ける意味はあるのか?等も討論にでました。未だ家族計画の普及を試みてもアフリカの出生率はなかなか下がりません。もう多産とどのように共存していくしか考えたほうがよいのではという意見もありました。

私はRisk Mitigation(リスクの緩和)という概念が途上国にある時点で、家族計画は難しいのではないかと思ってしまいます。貧しい政府のサポートには期待できず、信頼できるのは家族の絆だけ。子どもが多ければ多いほどのちのち稼ぎになるし、将来自分が老いた時に子どもの誰かが自分を養ってくれるだろうと思わざる負えない状況が多産に拍車をかけています。

グローバルの経済でアフリカを飲みこんで、欧米の家族計画を普及されるのは簡単にはできそうにないなと思う私です(もちろん、私はこの家族計画に悲観的になっているのではなく、安全なお産、出産間隔等は必要だと思います。赤ちゃんが死ぬ時のお母さんの悲しみは、赤ちゃんが1人でも3人でも何人でも悲しいことに変わりはなく、Reproductive Healthが担う役割は大きいと思います)。



Gapminder(http://www.gapminder.org/)というWebsiteでみる世界の出生率(Y軸)と女性の就学率(X軸)の表。赤〇がアジア。青〇がアフリカです。アフリカが圧倒的に出生率が高いです。Gapminderというサイトで平均寿命、乳児死亡率等の世界の傾向を見ることができます。1970~2010までの推移等もみれます。かっこいいサイトです。

2012/04/22

メータオ・クリニック支援の会から報告会のお知らせ


メータオ・クリニック支援の会より 活動報告会のお知らせです


いつもご支援いただき誠にありがとうございます。
この度、活動報告会を下記の要領により開催いたします。

1.日 時  平成24520日(日) 1430分~17
・報告会 1430分~16
・懇親会 16時~17

2.場 所  JICA地球ひろば 3階 セミナールーム301号室
            
 〒150-0012 東京都渋谷区広尾4-2-24
            
 東京メトロ日比谷線 広尾駅下車(3番出口)徒歩1
            
 地図 http://www.jica.go.jp/hiroba/about/map.html
 
3.内 容
*活動報告
「院内感染予防への取り組み  ~メータオ・クリニックから病院へ~」
当会はクリニックと共同で院内感染予防対策の活動に取り組んでいます。
今回は、現地スタッフの前川由佳よりクリニックで実施している院内感染予防対策の現状と今後の課題について報告します。

4.定 員  先着60

5.参加費  報告会:無料
懇親会費:1人500

6.申込み方法
参加ご希望の方は、(1)氏名 (2) 住所 (3) 電話番号 (4) 所属 (5) 懇親会参加ご希望の有無をご記入のうえ、前日までに下記のメールアドレスまでご連絡ください。

7.申込み・問い合わせ先
メータオ・クリニック支援の会(担当:淵上) E-mailsupport@japanmaetao.org

皆様のご参加をお待ちしております。 

2012/04/19

グループワークって本当大変・・・

今行っているグループワークメンバーのキャラがとても濃く、いつもトラブルだらけなのでブログに書きたいと思います。留学生だらけのグループにあたるのははじめてです。

金曜日締切のグループワークの宿題を集まってみんなでしようと約束していました。7人のグループワーク中、時間通りに来たのは以下の通り。

日本人の私 5分前
アメリカ人A  時間通り0分
カナダ人   5分遅れ
コスタリカ人 15分遅れ
ナイジェリア人 20分遅れ
アメリカ人B 25分遅れ(事前に遅れるとのメールあり)
ウガンダ人  30分遅れ

グループワークできる時間は授業開始までの1時間半。

私とほぼ時間通りにきたアメリカ人Aとカナダ人グループメンバーと話を進めて、議論も半ばというところに他の留学生たちが交わり議論をするところ・・・

ウガンダ人「What are we supposed to do for the homework? I don't understand your discussion.(宿題のために私たちは何をすればいいんだ?話し合いの内容がわからないんだけど)」

ナイジェリア人「You should put more information on this checklist, otherwise you will miss the points. In my experience, our country, Nigeria~~(省略:7~8分一人で話し続ける。)・・・We should start over from the beginning. (僕は(宿題の)チェックリストにもっと情報も追加しなければ宿題のポイントを見逃すと思うよ。僕の経験から言うと、僕の国、ナイジェリアでは・・・・(省略)。やっぱり宿題最初からやり直そうよ。)」

ウガンダ人、ナイジェリア人のやりとり、他のメンバーのやり取りが続くも一向に進まない議論。アフリカ人の二人からはじめから議論をやり直さないかという話しが進み、残り時間30分を切ろうとしたところ、

アメリカ人A「I am really frustrated! It is too late to start over because we have only 20 minutes left before the class. If you had come earlier, we could have started over. Only Aiko and I came to here on time!(もう嫌なんだけど!20分しか残り時間がないのにもう一度はじめからやり直すなんて遅すぎる!もしあんたたちが早めに来てたら、話し合い最初からできたのにね。私とアイコだけしか時間通りに来てなかったし!(怒))」

なんとか仲介にどちらの意見も聞く私やカナダ人、コスタリカ人の努力のかいむなしく授業開始となりゲームオーバー・・・

私もタイのメータオ・クリニックでよく時間のルーズさやマイペースにいらいらしたことはあります。でもそれをいちいち怒っていたら気がもたないし、次第に時間通りに来てほしいという期待もなくなってしまいました。

特に欧米人は先に結論をいって、あとで”ビコーズ”と理由を言うことが多いので、留学生の結論を言わず、ぐるぐる回って結論を言うのが聞くに耐えられないのかもしれません。

そういえばメータオでも欧米人よく怒ってたなって気がします。欧米人同士のディスカッションでもケンカにならないのか冷や冷やすることもあります。感情の表現が激しくてちょっと遠くからみてる私。

ルームメートも欧米人なので大きな声では言えませんがしょっちゅう彼氏と激しいケンカをしています。めちゃ怖い(苦笑)。

2012/04/18

メータオ・クリニック支援の会主催・夏休みスタディーツアーのお知らせ

JAM STURY TOURのご案内
☆ツアーポイント☆
・出国から帰国までJAMスタッフ(日本人)が同行!はじめて海外に行く方も安心!
・食事はツアーに含まれませんが、現地おすすめのお店を紹介します!
      (もちろん、JAMスタッフと同じお店の利用も可)。
・メータオクリニックの見学ができます。
・現地の小学校で子どもたちと交流します。
・めったに入ることができない難民キャンプにも足を運びます。

メータオクリニック支援の会(http://japanmaetao.org/)は、
メータオ・クリニックを技術的、資金的に支援するために設立され
JAM:Japan Association for Mae Tao Clinicという愛称で活動を行っております。

メータオ・クリニックとは?
1988年、軍事政権による民主化運動弾圧のさなか、
ビルマ/ミャンマー国内からのがれてくる人々を救うために
タイの国境のメソットという町で当時まだ20代だったカレン族出身の女性医師、シンシア医師が小さなほったて小屋で診療を始めました。
現在、このクリニックは内科、外科、産婦人科、小児科病棟を備え、患者の治療を行うほか、移民や難民など、多岐にわたる活動を積極的に実施し、15万人以上にも及ぶビルマ・タイの国境住む人々を支え続けてきました。しかし、現在でも、難民の流入は増加してクリニックを取り巻く状況はますます深刻化しています。

○ツアー期間○
平成24年7月29日(日曜)~平成24年8月4日(土曜)

○スケジュール○
7月29日(日):朝、成田空港集合。成田11時発、バンコク16時着、(ディナー、)
夜バスでメーソットに移動
7月30日(月):朝メーソット着、メータオクリニック見学
7月31日(火):支援をしている学校の見学
8月 1日(水):支援をしている学校の表彰セレモニー
8月 2日(木):難民キャンプ見学
8月 3日(金):朝バスでメーソット発、夕方バンコク着、(バンコク解散も可、)
バンコク22時発
8月 4日(土):羽田7時着、解散
*上記スケジュールは、2012年3月現在のものです。
現地交通状況、視察施設の諸事情などにより予告なく内容および訪問順序が変わることがあります。
あらかじめご了承ください。
*飛行機の時間・到着空港(羽田・成田)等は変更となる可能性があります。
*使用する航空会社は、未定です。東京からバンコクへは、直行便を利用予定です。
※ご希望のお客様には、一人部屋も希望可能です。
その場合は、一人部屋利用代金が追加で発生することもございます。

ツアー代金130,000円(飛行機チケットをご自分で用意される方は60,000円)
お問い合わせ先は、support@japanmaetao.org 担当:渡邊

○備考○
・上記日程は、JAMスタッフ(日本人)が添乗します。
・3日(金曜)にバンコクにて解散も可能です。
その場合、航空券の値段が変動する可能性がありますのでご了承ください。
・ツアー代金に現地でのバス代・宿泊費、難民キャンプ入場料は含みます。
・食費・お土産代、空港使用料、空港までの交通費などは含みません。

2012/04/15

メータオ・クリニック支援の会からお知らせ

ビルマ難民画家が来日します!!以下メータオ・クリニック支援の会からのお知らせです。


戦火に追われ祖国を離れた人々が
寄り添い生きる場所があることを知っていますか。
命がこんなにも儚なく、逞しいものであることを知っていますか。
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タイ・ビルマ国境の町、 メーソットにあるメータオクリニックの看護師、マウンマウンティンはこの十年間、数々のビルマ難民の日常の姿を描いてきました。ビルマ軍の攻撃から逃れてきた難民、山中やジャングルで避難生活を続ける国内避難民、ビルマ国内から生活困窮のためにやむなく仕事を求めて国境を越えてきた移民労働者、ゴミ山の上に暮らす人々とその子どもたち。彼の描く絵は彼のことばとともに、声なき人々の声を伝えてきました。
これまでに日本、アメリカ、カナダ、イタリア、ベルギー、フランスで彼の絵は展示され、大きな反響を呼びました。
ビルマ(ミャンマー)国内では、ラングーン(ヤンゴン)などの都市部を中心に大きな民主化の動きが見られます。アウンサンスーチーさん率いる国民民主連盟が補正選挙に参加して勝利し、民主化への期待が高まっています。その一方、報道の少ない国境地帯では依然、ビルマ軍による少数民族への攻撃が行われ、多くの人権侵害が人権 NGO によって報告されています。
一方、第三国定住措置として日本政府は、 パイロット計画が始まってから 3 年目の今年もタイ国境の難民キャンプより難民の方々を迎えます。私たちはこれらの難民の方々がどのような経緯で難民となったのか果たしてちゃんと理解しているでしょうか?
マウンマウンティンの作品は報道では伝えられていない多くの人々 の日常を教えてくれます。来日にあたり、マウンマウンティンを囲み、彼の絵をとおしてタイ・ビルマ国境の現状を学ぶ会を開催いたします。
主催:日本ビルマ救援センター(BRC-J)http://www.brcj.org/
メータオクリニック支援の会(JAM)http://www.japanmaetao.org/
お問い合わせ:(中尾) brcj@syd.odn.ne.jp
(田辺) ayatanabe@hotmail.com (日時/会場)

◆2012 年 4 月 29 日(日)14 時~16 時 (15 時から座談会)
JICA 地球広場 セミナー室 401
〒150-0012 東京都渋谷区広尾 4-2-24 03-3400-7717
http://www.jica.go.jp/hiroba/about/map.html
◆2012 年 4 月 30 日(月)14 時~16 時 (15 時から座談会)
横浜市社会福祉センター 会議室 901
〒231-0062 神奈川県横浜市中区桜木町1丁目1 045-201-2060
◆2012 年 5 月 5 日(土)14 時~16 時 (15 時から座談会)
クレオ大阪東 2階研修室
〒536-0014 大阪府大阪市城東区鴫野西2丁目1−21 06-6965-1200
http://www.creo-osaka.or.jp/east/access.html
◆2012 年 5 月 11 日(金)19 時~20 時 30 分
阪南大学サテライト教室 お問い合わせ:(守屋) tmoriya@hannan-u.ac.jp
〒541-0043 大阪府大阪市中央区高麗橋4丁目2−16 大阪朝日生命館 6F
大阪市営地下鉄 御堂筋線「淀屋橋駅」下車、12 番出口すぐ
京阪本線「淀屋橋駅」下車、御堂筋を南へ約 400m
*1 階に「タリーズ」、スーパー「KOHYO」があります。
http://www.hannan-u.ac.jp/satellite/mrrf43000000e33j.html

2012/04/13

至福のとき

統計のテストが本日無事終わりました。これで残すところは、5月にある最終テストのみです。

あと1か月で春セメスターが終わるなんて信じられないです。セメスターも終わりにかけ、残りプレゼン2つ、宿題2つが残っています。どこのクラスもラストスパートです。

このブログでは勉強、進路、勉強、進路などのことしかほとんど書いておらず、大変そうだなと思われているかと思います。大変なのは事実ですが、このセメスターは先学期よりも精神的にずいぶん楽になりました。週末は友達とご飯に行ったり、お茶したり、本を読んだりして余暇を楽しんでいます。ちなみに今週末はJAZZフェスティバルに行く予定です。

テスト終わったときの瞬間が至福の時ですが、あと料理したり、本を読んだりも至福の時。でもこの学期に入って家にいて楽しいのは、猫です。

は?っと思われるかもしれませんが、ルームメート(ケーティー)が猫(グエンちゃん)を飼っているので、リビングにいたり私の部屋にも彼女の猫が遊びにきます。

猫と一緒に暮らすのは人生ではじめてです。猫好きにはたまりません。
3年前グエン(猫)は捨て猫でけがをしていたのを、うちのルームメートが助けたことから、グエンと暮らしはじめたそうです。

捨て猫だったからか、なかなか人になつかないグエン。もう一人のルームメート(ステファニー)には全くなついてません。でもなぜか私になついているのです!

たぶん、私が陰でツナや鮭をグエンのためにあげているからかもしれません(一応ケーティー黙認。)だってかわいいからついあげたくなっちゃう。

最近は私のベッドでよく昼寝をしています。私が朝起きたら、身体をすりすりして挨拶に来てくれます。へびの人形でグエンと遊ぶのが私の日課です。

2012/04/09

Undaunted 私はくじけない

ハッピーイースターブレイクの4連休の3日目です。学校はお休み。明日は月曜ですが授業はありません。

木曜に統計のテストがあるのでその準備をしなければならないのですが、今日一日は家の目の前にある公園でずっと本を読んでいました。ここ数週間就寝前と時間がある時に読んでいます。

「Undaunted」というタイトルでZoya Phanというビルマのカレン族の女性が書いています。アマゾンで売ってます。
http://www.amazon.com/Undaunted-Struggle-Freedom-Survival-Burma/dp/1439102864
日本語で売られていたらたくさんの方に読んでもらえるのにと思えるほどとても印象的な本です。でもネーティブが書いた英語の文章ではないので他の英語の本よりずいぶん読みやすいかなと思います。

彼女はカレン州のマナプロー出身(1994年にビルマ族によって陥落)で、彼女の父はKNU(カレン民族同盟)の幹部でとても有名な人でした。2008年2月タイ・メソトにて彼女の父は暗殺されます(当時大きなニュースでした)。現在彼女は難民ステータスを持ち、イギリスで暮らしています。

話は彼女の幼少時代からはじまり、平和な彼女の村がビルマ族に襲われ、難民としてジャングルの中で生活し、難民キャンプ(メラマ)に移り住みます。彼女の平和な幼少期からすさまじく恐ろしい戦争の話、難民としてジャングルの中食べ物もなく過ごした話等目に浮かぶような情景が本の中で描かれています。

彼女と私はおそらく同じ年なので、同年代でこんなにも境遇が違うものかと考えさせられます。私のカレン族の友達セイリアのように(セイリアについてはNew Yorkのブログをお読みください)。

実は私、彼女に会ったことがあります。正式には彼女のスピーチを聞いたといったほうがよいですが(カレン革命の60周記念日にイギリスからわざわざタイ国境まで来て英語でスピーチをしていたので覚えています)。

アウンサウンスーチーさんが勝ったことで、アメリカで難民を受け入れる第三国定住プログラムはここ2年以内で終了するのではという話がでています。また難民キャンプもここ数年で閉めるのではないかという話がでています。しかしカチン族をはじめとした少数民族の停戦合意はまだ至っていないのに私には時期尚早としか思えません。

最後に本の中のとても印象的だった一場面。ビルマ族の攻撃からジャングルでの逃避生活の場面で著者のゾヤが彼女の母と会話するシーン。英語で少々長いですが、難民の人たちがどんな想像も絶する過酷な状況で生きてきたのか、少しでもわかってもらえれば幸いです。

One morning I plucked up courage to ask my mother the one thing was preying on my mind.
"Moe (Zoya's Mother), when can we go back to the village?" I asked.  "Will it be long?"
Bwa Bwa (Zoya's sister) and Slone (Zoya's brother) pricked up their eyes. It was the one question that we had all been dreading to ask but to which we all wanted an answer. When can we go home?


My mother looked at me with tired eyes. "I'm sorry, Zoya, we can't go back. Everyone has left."
I was silent for a moment with the shock of it all. "Never? We'll never go home?"

My mother shook her head. "The Burmese soldiers have taken over our area. We can't go home. There's no home to go back to."

I started at the sand, tears pricking at my eyes. I could hardly believe it, but that was what my mother had said. We weren't ever going to go home. Despite everything, I had always believed that we would be able to return to our village and our life when all this was over. It was the first time my mother had told us the grim reality of our situation, and I felt devastated.


"But Mom, we just want to go home", I heard Bwa Bwa whisper, "What's so wrong with that? Why can't we?"

"There's nothing there for us anymore", my mother answered. She was on the brink of tears herself. "I'm sorry, I'm sorry-but the village is gone."
Tears trickled down Bwa Bwa's face. "We'll never see it again? Never?"

My mother gave Bwa Bwa a hug and held out her free arm to me. "We'll have to go to Thailand as refugees and hope for the best. But we'll still be together, we'll still have each other, won't we?"

"But I don't want to be a refugee", I told her. " Refugees are people who need help. People who can't survive on their own. We're not like that, are we?"

"No, Zoya, we're not like that," my mother agreed. She gazed into my eyes. "But now we have no choice. We have to go to Thailand. There's nowhere else we can go"

2012/04/06

紛争、災害等危機的状況下でのプログラムスキル

最近私の進学についての話しばかりしかしていなかったので、最近の授業の話をしたいと思います。

今学期はMPH必須コースは1教科(統計学)しかとっておらず、そのほかは選択授業で自分の興味があるものばかり選択しました。

先月から始まったクラスは、Program Skills in Crisis and Transition Settings(意訳:紛争、災害等危機的状況下でのプログラムスキル)。

講義を聞いて、グループワーク、リーディングディスカッションがベースのクラスです。

授業の話をする前に今週勉強した内容でびっくりしたことを書きます。現代世界の紛争地帯で、市民の犠牲者は全体の何パーセントを占めると思いますか?

ちなみに第2次世界大戦での一般市民の犠牲者は50%。その他の50%は兵隊さんの死です。

実は現在の紛争地の犠牲者の90%が一般市民の犠牲です。

この数値の高さに私は驚きました。その理由にはたくさんの理由が暗示されています。
例えば、民族間の対立(エスニッククレンジング:民族浄化)の激化、それによる心理的要因(怒り)が市民の犠牲をさらに高める。国際社会の注目をあびるため、国境を越えた紛争(国対国)から国内での紛争への傾向なども考えられているようです。例に挙げるとシリアの内戦も現政府に反対する一般市民の犠牲が多いかと思います。

それにしても90%ってあまりにも高すぎる。

さて紛争と少しそれるのですが、先々週の宿題は過去にあった災害例をもとにCERFを書き上げるというもの。CERFとはThe Central Emergency Response Fund(http://ochaonline.un.org/Default.aspx?alias=ochaonline.un.org/cerf)という国連が立ち上げた人道支援基金です。UNOCHA(国連人道問題局)が主に担当しています。

大きな災害や紛争が発生したときに、例えばスマトラ沖地震、どこからお金が発生するのでしょうか?

もちろん、各NGO、UN等で資金集めをします。それでもスマトラ沖地震、ハイチ地震など規模が大きければ早急に膨大なお金が必要となります。CERFはそのための国連資金であり、その地域を担当するOCHAや、Humanitarian Coordinatorをはじめとし、各国連組織(UNHCR, UNICEF, WFP, WHOなど)が災害、紛争発生時から1週間以内にCERF(緊急基金)のためのプロポーザルを書き上げます。各国連の下にはそのお金を使って国連組織とともにプロジェクトを実行するSave the Children, World Vision, MSF*等の団体の活動を書く欄もあります。*これらの団体を業界用語でBINGOsというらしいです。なぜならBig International Non Governmental Organizationsなので。

そのプロポーザルとともにFlash Appealsという速報もだします。現在の被災地、紛争地の状況とともにそこで必要なニーズ(水、衛生、栄養、健康、環境など)なども書き出されます。このFlash AppealsはRelief Webhttp://reliefweb.int/というHumanitarian Workers(人道支援者)は知っとくべしというサイトでもみることができます。

CERFに引き続き、今週の宿題は被災地、紛争地の状況を知るためにサンプリングサーベイ(世帯調査)を取り、その調査に用いられる質問票について考えるというものでした。ニーズアセスメントがこの質問票で網羅されているのか、どのくらい時間がかかるのかをディスカッションしそれをレポートするというものでした。

実践的なものを勉強し、今週はクラスメートの1人が紛争地でのGender Based Violence(性暴力)についてのレクチャーをしてくれました。彼女は米国NGOのIRC(International Rescue Committee)で6年間ウガンダ、コンゴの紛争地帯でGender Based Violenceに対するプログラムオフィサーをしていました。彼女の経験談やその他のゲストスピーカー(先週はチュレーンの同窓生でWFPで活躍する方のアフガン、ハイチでのお話)を聞く度に、「あ~早く、フィールドでたい。でたい。」という気持ちでいっぱいになります。博士課程中にこの気持ち我慢できるのか心配。

2012/04/03

スーチーさん選挙に勝つ

先日ビルマの議会補欠選挙があり、アウンサウンスーチーさん率いるNLD(国民民主連盟)が圧勝するという大きなニュースが飛び込んできました。

1年前の誰もこの選挙の結果を予想できなかったと思います。スーチーさんが選挙に勝ったのはこれが初めてでなく、1990年にNLDは圧勝していますが、ビルマの軍事政権はその結果を無視し(国際社会から大きな批判を浴び、1991年にスーチーさんはノーベル平和賞を受賞しています)、その後スーチーさんを幾度となく自宅軟禁し彼女の自由を奪ってきました。

軟禁解除にいたり、米国人がスーチーさんの家に無断で訪れ、スーチーさんの自宅軟禁が伸びたりとここまで来るのにいろいろありました。

スーチーさんが今回議員議席を獲得したものの、まだNLDは議会の中でマイノリティーの党です。飛躍的に政治が変わるとは思えませんが、徐々にでもビルマの人々に明るい光が見えてくるのではと思います。

タイ・ビルマ国境のみんなも喜んでいるのでしょうか。みんなと一緒に喜びをかみしめたいです。
ニュースの動画でビルマ国内の歓喜を見ると私も力が湧いてきます。

このブログであまり書くことはありませんが、ビルマの問題やシリアの問題等々世界の政治的な問題にとても関心があります。
(シリアの非人道的な医療行為の禁止(反政府に対して)について語れば、怒りが湧いてきます)

たくさんある世界の問題の中で、ビルマの人々に明るい兆しが見えてきたことをNew Orleansから応援しています。

夏にメータオクリニックで実習をします。早くみんなに会いたいです。