2012/04/06

紛争、災害等危機的状況下でのプログラムスキル

最近私の進学についての話しばかりしかしていなかったので、最近の授業の話をしたいと思います。

今学期はMPH必須コースは1教科(統計学)しかとっておらず、そのほかは選択授業で自分の興味があるものばかり選択しました。

先月から始まったクラスは、Program Skills in Crisis and Transition Settings(意訳:紛争、災害等危機的状況下でのプログラムスキル)。

講義を聞いて、グループワーク、リーディングディスカッションがベースのクラスです。

授業の話をする前に今週勉強した内容でびっくりしたことを書きます。現代世界の紛争地帯で、市民の犠牲者は全体の何パーセントを占めると思いますか?

ちなみに第2次世界大戦での一般市民の犠牲者は50%。その他の50%は兵隊さんの死です。

実は現在の紛争地の犠牲者の90%が一般市民の犠牲です。

この数値の高さに私は驚きました。その理由にはたくさんの理由が暗示されています。
例えば、民族間の対立(エスニッククレンジング:民族浄化)の激化、それによる心理的要因(怒り)が市民の犠牲をさらに高める。国際社会の注目をあびるため、国境を越えた紛争(国対国)から国内での紛争への傾向なども考えられているようです。例に挙げるとシリアの内戦も現政府に反対する一般市民の犠牲が多いかと思います。

それにしても90%ってあまりにも高すぎる。

さて紛争と少しそれるのですが、先々週の宿題は過去にあった災害例をもとにCERFを書き上げるというもの。CERFとはThe Central Emergency Response Fund(http://ochaonline.un.org/Default.aspx?alias=ochaonline.un.org/cerf)という国連が立ち上げた人道支援基金です。UNOCHA(国連人道問題局)が主に担当しています。

大きな災害や紛争が発生したときに、例えばスマトラ沖地震、どこからお金が発生するのでしょうか?

もちろん、各NGO、UN等で資金集めをします。それでもスマトラ沖地震、ハイチ地震など規模が大きければ早急に膨大なお金が必要となります。CERFはそのための国連資金であり、その地域を担当するOCHAや、Humanitarian Coordinatorをはじめとし、各国連組織(UNHCR, UNICEF, WFP, WHOなど)が災害、紛争発生時から1週間以内にCERF(緊急基金)のためのプロポーザルを書き上げます。各国連の下にはそのお金を使って国連組織とともにプロジェクトを実行するSave the Children, World Vision, MSF*等の団体の活動を書く欄もあります。*これらの団体を業界用語でBINGOsというらしいです。なぜならBig International Non Governmental Organizationsなので。

そのプロポーザルとともにFlash Appealsという速報もだします。現在の被災地、紛争地の状況とともにそこで必要なニーズ(水、衛生、栄養、健康、環境など)なども書き出されます。このFlash AppealsはRelief Webhttp://reliefweb.int/というHumanitarian Workers(人道支援者)は知っとくべしというサイトでもみることができます。

CERFに引き続き、今週の宿題は被災地、紛争地の状況を知るためにサンプリングサーベイ(世帯調査)を取り、その調査に用いられる質問票について考えるというものでした。ニーズアセスメントがこの質問票で網羅されているのか、どのくらい時間がかかるのかをディスカッションしそれをレポートするというものでした。

実践的なものを勉強し、今週はクラスメートの1人が紛争地でのGender Based Violence(性暴力)についてのレクチャーをしてくれました。彼女は米国NGOのIRC(International Rescue Committee)で6年間ウガンダ、コンゴの紛争地帯でGender Based Violenceに対するプログラムオフィサーをしていました。彼女の経験談やその他のゲストスピーカー(先週はチュレーンの同窓生でWFPで活躍する方のアフガン、ハイチでのお話)を聞く度に、「あ~早く、フィールドでたい。でたい。」という気持ちでいっぱいになります。博士課程中にこの気持ち我慢できるのか心配。

0 件のコメント:

コメントを投稿